個人的な考えになりますので、参考程度に見て下さい。
前回のスピーカー製作で新たに見つかった印刷時の不具合。
樹脂が反ってきてステージから剥がれてくる問題が見つかりました。
中華製の安いフィラメントを使っているので造形が汚いのは多少我慢できるが、反ってきてしまっては話になりません。
PLA樹脂が反ってくる仮説
印刷するときに造形物をステージから剥がれにくくするためにヒートベッドを60℃ぐらいまで温めます。
その上に樹脂を積層して印刷していくのですが、造形物が上に行くほどベッドの熱が伝わらず、樹脂が急に冷えて収縮してしまいます。
ベッドから離れた所を印刷している時に、急に冷えた樹脂が全体を引っ張ってステージから剥がれてくると思われます。

外気温により多少変わりますが、イメージはこんな感じです。
夏より冬の方が上に行くほど温度が低くなります。
1層目を印刷している時ははがれていません、2cmぐらいの高さを印刷している時に少しづつ反ってきていました。
パラメーターを弄ってみた
前回のスピーカー製作時は、ノズル温度を200℃➡220℃にすることでなんとか形にする事が出来ましたが、それでもわずかに反っています。
ベッドの温度を0℃~80℃まで試したり、冷却ファンを止めてみたり、ノズル温度をもっと上げてみたり、印刷速度の変更・・・等々
色々パラメーターを弄って印刷をしてみたのですが、何度やっても結果は同じでした。
ノズルと接触

この形を印刷している時、見ていて気が付いたのですが、印刷の始点になる所(角の部分)で剥がれてくることが多い事に気が付きました。
ノズルがこの部分を通過した時に造形物が浮いています。
始点のところでノズルが切替しているため、切り返しの時に樹脂が垂れて角の部分だけ盛り上がっていました。
盛り上がっているため、ノズルが造形物に何度もぶつかってステージから剥がれやすくなっています。
印刷が上に行くほどぶつかった時の衝撃が大きくなりステージとの密着が無くなって樹脂の収縮に負けて反ってきているようです。
比較
新品の時と比較

次に疑ったのがフィラメント。
このフィラメントが新品の時に作った物(右)と今回作った物(左)を見てみると新品の時の方は積層間の隙間?みたいなのがありません。
この安物フィラメントは自作防湿庫に入れているのですが、完璧な防湿庫ではないのでフィラメントが劣化していた可能性もあります。
同じフィラメント、同じパラメーターで印刷したにもかかわらずこれだけの差が出るのは、フィラメントが湿気を吸ったことによる影響ではないかと推測します。
純正フィラメントとの比較

純正フィラメントが残っていたので、同じパラメーターで同じものを印刷してみたところ、剥がれることもなくきれいな仕上がりになりました。
切り返しの時に盛り上がってぶつかっていたところは多少気になりますが、安物よりは大分マシでした。
考察
白のフィラメントでは積層間の隙間が発生していないことから黒の中華製フィラメントは湿気により劣化している。
中華製フィラメントは新品の時はノズル温度200℃で普通に印刷できていたのに、今回は220℃にしないとまともに印刷が出来ない。
純正フィラメントと比較すると差が歴然としている。
これらの事から中華製フィラメントの劣化が原因としました。
ステージから剥がれやすいのも劣化が原因?
この中華製フィラメントは保管方法が悪かっただけかもしれませんが、二度と買うことは無いでしょう。
同じように保管していて純正フィラメントは劣化していません。
ステージとの設置面積が小さい物を印刷するときは「ブリム」や「ラフト」を印刷することで剥がれや、反り防止をする事が出来るようです。
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